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データ界隈で働くエンジニアとしての技術的なメモと、たまに普通の日記。

2022/11/26 SnowPro Core を取得しました

今の会社 Slalom に転職してそろそろ半年経ちます。Slalom はシアトルに本社を構えるコンサルティングファームで、テック系コンサルと言えばいいんでしょうか。この業界に入ってまだ日が浅いのですが、社内で学ぶことも多く、同僚も知見が深く面白い方ばかりで、楽しく仕事させてもらっています。コンサルティングということでクライアントワークとなり、その時々で仕事の様相がガラっと変わるのが事業会社出身の身としては新鮮です。

そんな社内では Snowflake の話題が上がることが多く、私も業務で使う場面が出てきたので SnowPro Core の資格を取得しました。簡単にですが資格取得のために行なったことをまとめます:

もくじ:

SnowPro Core 概要

現在はこの資格しかなく、上級資格は日本では現在制度準備中のようです。1000点満点中750点で合格、問題は2択(正誤)もしくは4択以上(複数選択含む)で自由記述はありません。

www.snowflake.com

学習方法

実際に触れる

当然ですが座学だけでは定着しないので、実際に Snowflake に触ると学習が捗ります。Snowflake 内のマーケットプレイスでオープンデータも簡単に使えます。私は会社が用意してくれたサンドボックス環境で学習を進められたので助かりましたが、Snowflake のバーチャルウェアハウス(実際にクエリを実行するコンピューティングリソース)は使うときに起動し、(設定次第ですが)使わなければシャットダウンされるので個人で学習もしやすいと思います。

一番小さいウェアハウス X-Small で2022年11月26日現在、AWS東京リージョンで稼働させた場合で1時間あたり$2.85です。これにストレージ料金がかかってきます。マーケットプレイスを介したデータはデータ提供元から移動されないため、ストレージ料金はほぼかからないはずなので、データの準備も必要なく、必要最低限のコストですぐに学習が始められます。

心配であれば料金に対してアラートも設定できるので、ぜひ下の料金表から確認してみてください。

料金体系 | Snowflake 【スノーフレイク】

また無料分のクレジットももらえるようですが、私は試せていないのでご興味ある方はこちらから確認してみてください: Getting Started with Snowflake - Zero to Snowflake

LinkedIn Learning

手始めに、約2時間程度のLinkedIn LearningでSnowflakeの概要を学習しました:

www.linkedin.com

LinkedIn Learning は会社で加入していたので使うことができましたが、Snowflake University という公式の学習教材もあり、こちらの方が最新機能についてもアップデートがあるでしょうから、よいかもしれません:

Tracks | Snowflake University: On-Demand

問題集

SnowPro Core は有料の過去問や、以下にリンクを記載しますが無料の問題集もあります:

www.jpnshiken.com

類似の問題も本番で出題されたので、学習進捗の確認にはよいと思います。ただ無料の問題集は解答の精度が低く、同じ問題でも答えが違っていたり、明らかに違う解答が正しいとされていることも多く、あまりお勧めしません。。Udemy では有料ですが模擬試験もあるので、金銭に余裕がある方はこちらの方がお勧めです:

www.udemy.com

公式ドキュメント

Snowflake の公式ドキュメントも1週間ほどかけて、一通り目を通しました:

docs.snowflake.com

このドキュメントには注釈が多く記載されているのですが、この注釈から問題が作られることが多いように思えます。ざっと読むだけでは足らなくて、「〜のデフォルト設定は何か」「どんなパートナーと連携できるか」などのように細かい部分までをしっかり理解する必要があります。このドキュメントが丸暗記できれば試験としては十分で、その理解を促進するための問題集や動画教材を使うよさそうです。

Cheat Sheat

有志によって主要機能の概要をまとめたものです。理解できるかを確認したり、知らない概念があればそこから公式ドキュメントを読み込むなどの使い方が便利です。私が利用したのは同僚に教えてもらった以下のものですが、検索すると他にもたくさん出てくるので、最新の機能に追従するためになるべく新しいものを使うと良いかと思います:

www.slideshare.net

1度目は落ちて、再試験で合格

実は試験1度目は落ちてしまって、2回目で無事合格できました。不合格からの再試験は特に割引などはないですが、年間に受けられる回数が決まっているため、ある程度期間を開けて学習を積んでから2回目に挑むと良いと思います。

言い訳をすると直前に Databricks の資格試験を受けていて、こちらが割と簡単だったので同じデータウェアハウスサービスの Snowflake も同じノリかな、と思って問題集も特に対策せずに試験を受けてしまいました。。Databricks の試験とかなり傾向が異なっていて、Databricks は実例を出しながらコマンドやクエリの使い方を問う問題、Snowflake は Snowflake というサービスをどこまで理解しているかを尋ねている印象で、オプションや設定のデフォルト値など細かい知識も求められます。この辺りは実際に試験を受けなくても、問題集を通じて傾向が理解できますので、問題集に取り組むのがお勧めです。

コンサルティングファームでは資格取得がしやすい

今回は Snowflake 製品について学びたいという思いから資格試験を受けましたが、コンサルティング業界ではどんな資格を取得しているかが重要なようです。クライアントから見ると、このコンサルタントがどんなスキルを持っているかを知るための一つの判断材料になるんですね。

そのため、今の会社は以前の事業会社での環境と比べると圧倒的に資格取得のための制度や補助が整っています。さすがに再試験の費用は申請していませんが、他は全て会社負担で賄えました。中には特定の資格を取得すると別途手当が支給されるものもあって、これはさすがに驚きました。これは半分推測ですがクラウドベンダーからしたらコンサルティングファームに資格取得者を増やして、そのクラウドサービスの利用を勧めやすくする狙いがあるのだと思います。

実際に業務で使わないと分からない部分も多くあると思いますが、色々なクライアントと話をする立場なので、まずは概念だけでも理解して話ができるような状態にしておくことも重要かもしれません。

ただ個人的には次は春のIPAのネットワークスペシャリストを受けようと思っています。10年以上前に応用情報技術者の資格を取得してから上位資格は挑戦していなかったのですが、そろそろ基礎知識部分もアップデートをしたいのと、ネットワークはいつも苦手意識があるので克服したいなと思っているためです。データエンジニアの肩書きでコンサルタントをしていますが、クライアント企業のネットワーク図だったり、データウェアハウスが運用されているインフラやネットワークを調査することも少なくないので、基礎知識として安定させたいなと思っています。日本の国家資格ですがクライアントは日本企業がほとんどなので、まぁ多分資格としても役に立つと思います。

Slalom ではデータ関連人材を募集しています。どんなことをしているのかご興味あれば、気軽にご連絡ください!