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データ界隈で働くエンジニアとしての技術的なメモと、たまに普通の日記。

2021/04/22 文字の発明とデータマネジメント

データマネジメントについて色々と勉強したり業務をしていく中で、『「データマネジメント」と名前は付いているけれど、とても普通のことをしているのでは』という感覚がでてきました。もちろん技術的な話はあるのですが、ガバナンスが大切だとか、用語集を統一しましょうとか、とても基本的な事項が多く含まれます。

それであれば何か歴史から学べることはないか?とぼんやり考えて、Twitter でもツイートしたりしたのですが(面白いリプをいくつかいただきました)、先日Podcastを聴いていて気づきがありました:

podcasts.apple.com

コテンラジオは同僚がお勧めしてくれてたまに聴いていたのですが、その第3回で「文字の発明」についての話があります。私は専門家でも何でもないので詳細はPodcastを聞いていただくとして、以下のような話題が話されていました:

  • 文字の発明によって、物事を記録することができるようになった
  • 文字によって思考の抽象化が進んだ
  • 紙の発明によって利便性が向上した
  • 凸版印刷の発明によって大量印刷ができ、多数の人が同じ情報を共有しやすくなった(マスメディア)

この一連の流れは 1:N の情報伝達手段であるマスメディアまで発展し、インターネットの登場によって成熟しきったと考えられるようです。そしてインターネットの利用が深まるにつれ、個人が発信する新しい時代(多対多、N:M)に突入していったというんですね。「文字」というテーマでここまで話が広がるのかと驚きます。

さらにこの情報伝達を効率化するために、古代都市は街の整備にとても力を入れていたそうです。中央集権国家では効率的に情報を集め、効率的に情報伝達(拡散)させることが大切なのでしょう。知識がないので想像しかできないのですが、飛脚のような役割の人や、馬などが通りやすいように道路を整備したりしたのかもしれません。日本だと五街道はよい例かもしれません。モールス信号のような遠隔で情報伝達できる手段についても触れられていて、私からするとアナログなインターネットのような雰囲気さえ感じます。

ここまで書けばデータマネジメントとの相似性がかなり見えてくるのではないでしょうか。紙の発明は石版・木版に比べればデータ書き込み速度の向上(もしくは保存容量の増加)に擬えられそうですし、凸版印刷はコピー速度の向上、街整備はネットワーク整備や組織構築に近そうです。どんなツールを使って、どんなガバナンス体制を敷くか。小さい街・国づくりのような気さえしてきます。ガバナンスが弱いと統制が効かない点も、まさに一国のような気がします。

かなり類似性がありそうだという気づきだけがあるだけでまだ深く考えられていないのですが、コテンラジオのおかげで「データマネジメント」を違った観点で見ることができそうですし、データガバナンスがデータマネジメントの肝、というのはやはり正しそうです。

にしても、歴史は面白いですね。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とはよく言いますが、私は歴史の授業は苦手でした。でもコテンラジオは歴史嫌いだったのに歴史マニアになってしまった人たちが放送しているようで、楽しく聞けると思います。よかったらどうぞ。